昨日のCNNニュースにこんな記事が掲載されていた。
オランダがん研究所などの研究チームが、これまでの医学では知られていなかった臓器を発見したとして、医学誌に研究結果を発表したとのことである。それは鼻腔と咽頭が繋がる部分に対になった未知の腺が見つかったということだ。当初は新発見の臓器なのか、唾液腺の一部とみなすべきなのかの議論もあったらしいが、詳しく調べたところ解剖学的にも機能的にも新しい器官であることが裏付けられたと結論付けていたのである。そしてこの臓器を発見したのは、なんとPET/CT装置だというから驚き桃の木山椒の木だ。CTMRIなどの形を見る検査(形態画像)では周囲との境界がはっきりとせず発見には至らなかったが、PSMA-PETという特殊な検査(機能画像)によって見つけ出すことができた、と記事はまとめていた。すごい発見である。
PSMAとは簡単にいうと前立腺がんに高発現する膜タンパクのことである。これをPET/CTで視覚化して、さらにPSMAに放射性薬剤を結合させピンポイントで照射するという、前立腺がんに対する新しいアプローチであり、海外ではすでに始まっている。今回の発見は前立腺がんの患者さんの転移検索のため頭頚部の画像を撮ったことがきっかけになったらしい。

それにしてもこの現代において人体の構造で新たな臓器の発見があるなんて衝撃的すぎるではないか。最近できた器官で、昔はなかったのだろうか。どんな役割を担っているのだろうか。まだ発見されていない臓器が他にもあるのではないだろうか。人体とは実に神秘的なのである。

実は「PSMA-PET」についてはボクたちも予てから高い関心を持っていて、コッソリと下調べをしているところなのである(言ってしまった)。数年後に弊クリニックで実用化できるかもしれないし、できないかもしれない。今はそんな中途半端な感じでウロウロしてるのである。

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【青い矢印が新たに発見された臓器】