PETクリニック事務長のトホホblog

山梨PET画像診断クリニックの白石です。 ・PETについて・当クリニックの活動について・日々雑感(これが一番多い)気ままに発信しています。 ★ホームページリニューアルに伴い、ブログも引っ越しました★ 過去ログも覗いてみたいという稀有な人は、お問い合わせください。

2020年12月

いよいよ本日をもって年内の診療が終了した。振り返れば大きなトラブルなどもなく、大過なく何とか凌ぎきった1年であった。職員をはじめ関係各位、PET検診のお客様、近隣病医院各診療科の先生方には深く感謝の意を表させていただく。
ありがとうございました。
今年はコロナに翻弄され、なんもかもが狂わせられてしまった印象である。本来ならば、東京オリンピックにエキサイトして、日本臨床脳神経外科学会を成功裏に終えて、PETサマーセミナーで下呂温泉に浸かり、ヴァンフォーレ甲府に熱狂し、福岡でもつ鍋を、大阪ではどて焼きをいただいて、夏のキャンプも秋のプチ旅も、そして人々との飲みの場やコミュニケーションをもっともっと楽しむはずであった。人生は思い通りにはいかないものである。
個人的には年頭に掲げた目標を2つとも達成できなかったので、そのまま来年へシフトすることとして明鏡止水の心持ちで過ごしたいと願うのである。
このコロナ禍は収束が見えないし、むしろ別のフェーズに入りそうな雰囲気もある。来年もクリニックはしっかりと感染対策を施して、山梨県のPET検査を止めないという強い覚悟をもって臨みたいと思うのである。
それではみなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。
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【日本医師会の安心マーク】

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【HEPAフィルタ付き空気清浄機】

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【プラズマイオン式空気清浄機】

昨夜はクリスマスイブであった。仕事の帰りにコンビニに寄ったら店員さんがみんな白いボンボンの付いた赤いニット帽をかぶり、緑のエプロンをしてサンタクロースを模した恰好をしていた。この時期、よくある風景である。ひとりかなりご高齢の女性店員さん(たぶん70歳代)がいて同様のコスチューム姿で「いらっしゃいませ! メリークリスマス!!」と甲高い声でボクの入店を歓迎してくれたのだが、ボクは怖くなって何も買わずに店を後にしてしまったのである。想定外の出来事に怯んでしまったのだ。その足で近くの商業施設に入り本屋に向かって歩いていたら、大勢の人が溢れるほど並んでいて、係員が「間隔を開けてお並びくださーい」と大声で叫んでいた。行列の先頭を追っていったら大手フライドチキン店がてんやわんやの大盛況であった。鶏の唐揚げなんて、今日喰っても明日喰っても同じ味ジャマイカ。なぜに毎年この日に食べなければ気が済まないのだろうか。これらも正常性バイアスの弊害なのかなと考えながら、とぼとぼと帰宅したのである。
今年もいろいろな事があった。コロナ禍は未だ収束の気配もないが、これを奇貨として幾つかのことを学んだのも事実である。(少しだけ触れると)ボクがいちばん考えさせられたのは「正常性バイアス」についてだ。人は目の前で想定外のことが起こると、戸惑ったり対応に窮することがある。しかしその度にいちいち反応してしまうと神経が疲れてしまうので、人には心の平穏を保とうとするメカニズムが備わっているのである。あまり関心のない情報は耳に入らないとか、人を傷つけてもその被害を過小評価するとか、自分に都合よく物事を認識する心的傾向を正常性バイアスという。ボクはそう理解している。ところが、この心の防御作用ともいえる正常性バイアスも、コロナ禍のような災害時にはたいへん危険な事態を引き起こすことがある。一刻も早く対処しなければいけないリスクに対し、「大丈夫じゃね」と高を括ってしまいリスクとしての認識を妨げてしまう場合があるのだ。いつもと違うことが起きているのに、いつもと同じなんだという先入観に支配されて、いつも通りの振る舞いをしてしまい、結果として生命の危機にさらされる状態を招きかねない。この正常性バイアスのオンオフのコントロールを適宜適切にできることがいかに大切かをいま痛感しているのである。
 
さて、明日はスーパーで半額になった丸鶏を2羽買ってキャンプに行こうと思っている。1羽は炭火でローストチキンに、そしてもう1羽は土鍋で参鶏湯をこしらえて鶏をたっぷり堪能するのだ。そして厳寒のなか、焼酎のお湯割りを啜りながら有馬記念の予想に耽るのである。これが一日遅れのボクのクリスマスだ。

メリークリスマス!
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【昨日いただいたクリスマスプレゼント、飲む前に飲む!】

文化庁の調査によると、社会人の読書量は平均で年6冊程度とのことである(『国語に関する世論調査』平成30年)。ただし「ほとんど読まない」と答えた人が47%もいるので、この人たちが平均を押下げていることは明白だ。普通に読書する人は年間に10冊くらい読んでいるのであろうか。今年ボクはコロナ自粛もあって例年よりも多くの本を読めたような気がする。というか、買ったような気がする。まだ今年は半月残っているのだが、今年読んだ本の中でベストを紹介させていただこう。いつもなら最後の数冊から決めかねるのだが、今年は迷いなくこの一冊を挙げられるのである。全く個人的な見解なので異論のある方もおられるであろうがお許しいただきたい。My book of the year 2020はこれである。

『美しいからだよ』(思潮社) 水沢なお
 
この本に関しては、こんな場末のブログで感想を書くなんてたいへん憚られるので、ボクはもう何も言いたくないのである。軽々には語ることのできない作品ということだ。今年3月に中原中也賞を受賞したというニュースを見てこの作家を知り、そういえば今話題の川上未映子も同賞を獲っていたよなと思いつつ、ならばちょっと読んでみようかなとAmazonで取り寄せてみたのが僥倖であった。13編からなる詩集なのだが、散文系だし会話体を多用していて物語性がとても高い。現代詩と短編小説のアドアンドハーブのような印象である。独特の世界観と筆致。登場するモノとモノとの対比。収録されている詩はすべて20歳前後に書かれたとういから、オジサンはもう気が遠くなるばかりだ。この若き詩人、いったいどんなインプットを通して成長してきたのか、ボクはそこらへんに興味が尽きないのである。
作家の高橋源一郎は自身のTwitterで「この詩集、歴史的な意味を持つものになるかもしれませんね」とまで豪語していたのだが、これにはボクも同意せざるを得ないのである。
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 【今年のイチオシ!】

この季節になると街のあちこちで宵のうちからイルミネーションが灯りはじめ、幻想的な景観についつい見入ってしまうときがある。ボクの住む韮崎の駅前にもニーラ(韮崎市のゆるキャラ)と周辺のライトアップが人気となっている。象徴的でいいのだが、ここ数年は徐々に派手さを増しているのが気になるところだ。
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【韮崎駅前のイルミネーション】

先週、クリニックでもいよいよ植栽のモミの木に電飾を施したのである。今年で4年目になるのだが、モミの木自体が年々やせ細ってしまって、イルミのシルエットがなんとも格好悪いのだ。どこからどう見ても映えないのである。クリニックのクリスマスイルミが毎年イケてないのには明確な理由がある。それは、ボクが飾っているからである。スマソ。ボクのセンスの無さはボク自身がいちばん良く理解している。なので叱責はご容赦いただきたいのである。
JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)が毎年発表している今年の色、2020年は『ヒューマンレッド』に決まっている。JAFCAとは単なるアパレル業界のトレンドとなる商業ベースの色ではなくて、広く世間一般に色彩生活を提供することを目的としている団体だ(よくわからないけど)。同協会のHPによると「2020年の色は鮮やかなレッド。デジタル化が進む中、人間らしさに注目し、人ならではの豊かな感情や身体の躍動感を表現する色として」選定したとのことだ。ヒューマンレッドとは何色かと思って調べてみたら真赤であった。これは昨年の暮れに発表されているので、オリンピックが念頭にあったことは間違いない。延期になったからといっていまさら今年の色を変えることはできないのであろう。たいへん気の毒な話ではあるが、行きがかり上、今年の色は赤なのである。皮肉にも感染拡大するコロナ禍において、赤色は高い深刻度を示す色だ。選定した人は医療従事者へのエールを込めて青色にしておけば良かったと悔やんでいるのではないだろうか。と、ここまで書いて窓外のモミの木に目を遣ったらクリニックのイルミネーションの色は赤(!)であった。やってしまった。医療従事者へのエールを込めて青色にしておけば良かったと悔やまなければならないのは実はボクの方であったのだ。トホホ。
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【クリニックのクリスマスイルミネーション】

さて、今年の色ではなくて、今年の漢字が来週14日(月)に発表される。「3密」が流行語大賞を受賞したので「密」ではないと思う。ボクは今年の漢字に選ばれるのは、あつまれどうぶつの森の「森」かフワちゃんの「不」ではないかと踏んでいるのだが、果たして。
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【今年の色】

いま人々の間で最も多く交わされている約束は、どんな内容であろうか。恐らくこんなやり取りではないか。
「コロナが落ち着いたら飲みに行こう!」
「いいですね!絶対ですよ!」
ボクはすでにこの約束を数十人の方々と交わしている。なかには社交辞令的な人もいるのだが、ほとんどの人がその日の到来を待ちわびていると思うのである。時は師走12月だ。例年ならばすでに忘年会の一つや二つは消化している頃、そしてこれから忘年会ラッシュの佳境へと入ってゆく時期のはずだ。でも今年は違うのである。このコロナ禍にあって当然といえば当然なのだが、今のところボクの忘年会の予定はナッシング。今冬はたいへん肝臓に優しい暮れを過ごすこととなりそうで、嬉しいやら寂しいやらどっちつかずの心境なのである。
昨年の今頃「忘年会スルー」が話題になっていたのは記憶に新しい。特に若年層で職場の忘年会を忌避する人々がSNS上で欠席を宣言する現象をこう呼んで、賛否が相まみえて大騒ぎとなったのである。ボクは会社の忘年会出欠の意思は日頃のコミュニケーションや職場の雰囲気に大きく依存するので、忘年会だけを切り取って賛否を競うのはちょっと違うような気がするのである。それはともかく否定派の声が可視化されたことで会社の忘年会の風当たりが一気に強まり、その存在意義が揺らいできた印象が確かにある。ある製薬会社の調査によると、職場の忘年会に「参加したくない」か「どちらかと言うと参加したくない」と答えた人は40%を超えたという(田辺三菱製薬株式会社2019年)。そして今年はこの状況下、ほとんどの会社で忘年会は中止だ。このまま会社の忘年会は衰退してゆくような気がしてならないのである。ボクは経験がないけれど、昭和の景気が良かった時代には「社員旅行」や「社内運動会」があったらしい。数年後は「会社の忘年会? 昔そんなのあったね」なんて言われる日が来るのではないだろうか。
 
ところで、いま人々の間で最も多く交わされている会話は、どんな内容であろうか。恐らくこんなやり取りではないか。
「レジ袋いりますか?」
「あるから、いいです!」
7月にレジ袋(プラスチック製買物袋)が有料化されてからというもの、コンビニやドラッグストアなどの小売店で買い物をすると、そのたびにレジ袋の要否を尋ねられるようになってしまったのである。缶コーヒー1本しか買わないのに、アルバイト店員さんは「袋どうしますか?」とだいたい聞いてくる。時にエコバッグをあからさまに持っているときでさえ、「レジ袋いりますか?」と聞かれることがあるのだ。そろそろ辟易してきているのだが、だれか「レジ袋スルー」を発信してくれないだろうか。
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【ボクのレジ袋(エコバッグ)は学会の記念品だ】

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