札幌で開催された「第69回日本病院学会」に参加してきた。真夏でも札幌は涼しいのかと思いきや、日中は連日30℃オーバーで茹だるような暑さ。これじゃ山梨と変わらんじゃんねと、慣れない甲州弁で愚痴ってみたところが陽が落ちてからが違う。過ごしやすいこれではビールが何杯でも飲めてしまうではないか(実際何杯飲んだか覚えていない)。いやいや決してビールを飲みに行ったわけではなく、学会参加で教養のインバウンドに行って来たのだった
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いま医療業界の最大の関心事はなんと言っても「地域医療構想と「働き方改革」ではないだろうか。本学会のプログラムにもこれらの話題がずいぶんと組まれていた

前者はご存知2025年へ向けた機能別の病床数コントロールだ。すでにすべての都道府県でビジョンは出揃っている。余裕綽々の病院もあれば、戦々恐々の病院もあろう。当院(甲府脳神経外科病院)は急性期路線で行くと決めている。
ボクは2025年問題よりも、その先
心配する人が少ないのが心配だ。

後者の実態は「働かせ方改革」であり、多くの事業所が対応に苦慮している。一般的に病院は労働集約型産業と考えられていて、マクロ的な国民医療費の分配構造を見ると総医療費のほぼ50%を人件費が占めると推計されている。多くの職種が24時間365日体制で協業しているのだ。勤務体制や賃金体系が大変複雑で、給与における手当の数が40種類以上あるのは医療だけだという。
要はワークライフバランスを考慮してやれよ、あんまり働かせんなよ、と言われているのだ。


特別講演では話題の人、ニトリ会長の似鳥昭雄さんが出てきた。演題『リーダーが育つ55の智慧』を拝聴。裸一貫から叩き上げの成功者だ。話が面白くない訳がない。似鳥さんは大学卒業後に入社した会社を半年でクビなってしまうで何となく家具屋を始めて、お客さんが安くて良い物を求めていることに気付く。そこからのチャレンジがまた痛快(詳しくは本を読んでください)。何より驚嘆したのは、今75歳の似鳥さんは20年先のニトリしっかりと見据えているところ。厚労省2040年を見据えた社会保障体制をぶち上げ始めた。ボクなんて20年先、生きているかもわからない・・・トホホ。

最後の晩餐
大奮発して特製海鮮丼(4,200円!)をいただく。医療とは違って手当(ネタ)の数は40種類もないけれど、「お、ねだん以上。」に舌鼓を打ったのである。

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