PETクリニック事務長のトホホblog

山梨PET画像診断クリニックの白石です。 ・PETについて・当クリニックの活動について・日々雑感(これが一番多い)気ままに発信しています。 ★ホームページリニューアルに伴い、ブログも引っ越しました★ 過去ログも覗いてみたいという稀有な人は、お問い合わせください。

昨日のCNNニュースにこんな記事が掲載されていた。
オランダがん研究所などの研究チームが、これまでの医学では知られていなかった臓器を発見したとして、医学誌に研究結果を発表したとのことである。それは鼻腔と咽頭が繋がる部分に対になった未知の腺が見つかったということだ。当初は新発見の臓器なのか、唾液腺の一部とみなすべきなのかの議論もあったらしいが、詳しく調べたところ解剖学的にも機能的にも新しい器官であることが裏付けられたと結論付けていたのである。そしてこの臓器を発見したのは、なんとPET/CT装置だというから驚き桃の木山椒の木だ。CTMRIなどの形を見る検査(形態画像)では周囲との境界がはっきりとせず発見には至らなかったが、PSMA-PETという特殊な検査(機能画像)によって見つけ出すことができた、と記事はまとめていた。すごい発見である。
PSMAとは簡単にいうと前立腺がんに高発現する膜タンパクのことである。これをPET/CTで視覚化して、さらにPSMAに放射性薬剤を結合させピンポイントで照射するという、前立腺がんに対する新しいアプローチが海外では始まっている。今回の発見は前立腺がんの患者さんの転移検索のため頭頚部の画像を撮ったことがきっかけになったらしい。

それにしてもこの現代において人体の構造で新たな臓器の発見があるなんて衝撃的すぎるではないか。最近できた器官で、昔はなかったのだろうか。どんな役割を担っているのだろうか。まだ発見されていない臓器が他にもあるのではないだろうか。人体とは実に神秘的なのである。

実は「PSMA-PET」についてはボクたちも予てから高い関心を持っていて、コッソリと下調べをしているところなのである(言ってしまった)。数年後に弊クリニックで実用化できるかもしれないし、できないかもしれない。今はそんな中途半端な感じでウロウロしてるのである。

image

【青い矢印が新たに発見された臓器】

前回のブログである美術館へ行ったことを書いたら、複数の方から「クリニックだって美術館みたいに絵がたくさんあるジャマイカ」と指摘を受けた。そうであった。すっかり忘れていたのだ。毎日のように自然と視野に入っているので感動も薄れてしまっているが、実は弊クリニックには結構スゴイ絵画が飾られているのである。ここでいう「スゴイ」というのは「有名な」と「高価な」が含意されているとご理解いただいて差し支えない。つい先日もいきなり宅配便で大きな荷物が届いたのだが、その形態からすぐに絵画だと察しがついたのである。また理事長が衝動買いしたのかなと、恐る恐る開けてみたら絹谷幸二の原画であった。他にも東山魁夷、増田誠、フェルメール、アンディ・ウォーホールなど洋の東西を問わず、時代も系譜もカオスであるが、世界に名だたる作家の作品が所狭しと飾られているのだ。受診のついでに絵画鑑賞するもよし。絵画鑑賞のついでに受診するのもよし。それらもまた一興であろう。ちなみにクリニックの初診料は2880円(診療報酬)だが、入館料は無料となっているのである。

image        image
image        image
【弊クリニック所蔵の絵画】

所用で上京したさいに少々時間があったので、久しぶりに六本木ヒルズの森美術館に寄ってきた。ここはボクのお気に入りの美術館のひとつ、森タワーの最上階53階にあるのだ。この日は利用しなかったが、追加で500円払うとスカイデッキに出られて都心を一望できる。日中もいいけれど陽が落ちてからが見応え抜群で、東京タワーやスカイツリーとはまた違った夜景を満喫できるのである。

image

【森美術館入口】

実はコロナ禍の今、人気の美術館や博物館などは穴場中の穴場スポットなのだ。密を避けるため入場人数を制限しているので、いつもなら人に押し流されながら爪先立ちで観ていた展示も、いまならゆっくりと自分のペースで鑑賞できるのである。客もスタッフもみんな黙っているし、施設の感染対策も徹底していてストレスが少ないのもいい。今回は前から気になっていた『STARS展 現代美術のスターたち-日本から世界へ』を堪能させていただいたのである。日本の現代アートの大御所6名(草間彌生、李・ウファン、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司)を一堂に会し、6つの個展を順々に観て回るような一粒で六度おいしい展覧会であった。なかでもボクの一番のお目当ては奈良美智である。奈良さんはドローイングや絵画だけでなく、彫刻、写真、インスタレーションまで手掛ける多才なアーティストだ。ボクは特に奈良さんの少女像が好きでついつい見入ってしまうのである。可愛いけれど残酷で、挑発的であるが母性的、邪悪さと無垢な心。相反するベクトルを共存させる作風がたいへん刺激的なのである。こうやって非日常的な時間に浸っていると、全身にまとわりついていた余分なものがそぎ落ちて、五感が研ぎ澄まされてくるような気がするのである。リフレッシュ。自粛やおこもりで停滞した気分を払拭するには、好みの芸術に触れるのも一手なのだと再認識したのであった。 

この森タワーには中層階に、Apple Japanをはじめグーグルやノキア、フェラーリ・ジャパンなど世界有数の会社がオフィスを構えているのだが、最上階に美術館とアカデミーヒルズという学術関連のフロアが配置されている。これは経済活動よりも、文化や芸術活動の方が上にあってほしいという、森ビルの森稔前会長の理念からだということだ。達観である。


 image

image
image
【奈良美智の作品】

このページのトップヘ